講師インタビュー

講師インタビュー:吉原進先生(その3)

シニアライフカウンセラー養成講座の人気講師、吉原先生のインタビュー第3弾です!

今回は、ファイナンシャルプランナーとして吉原先生が「くらしとお金」についての講座を行った時に、受講者から「知らなかった!」と言葉がでた時のことをお話してもらいました。

多くの人は「当事者」にならないと動かない

たとえば、医療費の高額優良制度。一定の額以上になったらきちんと手続きをすれば戻ってくる制度です。あとは、勘違いですね。介護保険なんて、利用している人にとったら当たり前のことなんですけれども、あれは、利用前に65歳になると介護保険の被保険者証が送られてきます。それを、どこかの事業所にいけば利用できる、と思ってる人がいるんですよね。ところがそうではないんです。介護保険は、介護が必要になった時に市町村に出向いて認定してもらう必要があるんです。今、元気な人はそこが分かっていないことが多いんです。

実際に自分の親に介護の必要が出てきた時にやっと、「これは事前の手続きが必要なんだ」とわかってくるわけなんですが、なかなか、元気な時に介護保険がああだこうだと考えないことは結構あるんではないかと。

損していることすら気がついていない悲しい現実

高額の医療費、介護保険、あわせて1年間でこの金額を上回ると、オーバーしたぶんはかえしてもらるんだよ、ということを、みなさん知らなかったり。確定申告する場合でも、医療費が10万円以上かかると所得税が戻ってくるっていうのは割と知られているんですが、高齢者は、10万にならなくても所得の5%を超えれば医療費の還付対象になるんですよね。

例えば。65歳以上になると、基礎控除額っていうのが120万円あります。そうすると月20万円の年金をもらっている人は年間240万円を受け取りますよね。そこから控除額をマイナス120万円を引くと、120万円の所得があるということになります。

その所得120万円の5%は、6万円ですよね。10万円を超えなくても、その6万円以上が年間医療費であれば所得税の還付対象になりうるんです。「うちのおじいちゃん、結構医療費かかってるね」っていうの、もしかしたら知らないだけで損してるかもしれませんよ。

損をしていること自体、知らないわけです。そういう制度がわからない、だから知らないことで損をしていることはたくさんある。

役所から教えてくれることは、まずない

私も元役人なんですが、制度があったからといって、役所のほうから「あなたはこうしたほうがこれだけお金が戻ってきます」というような情報を一人一人にはまず教えてくれません。結局、病院の領収書をかきあつめながら電卓で足し算していくことになるわけですが、その結果で、どういう制度が適応されるかというのを知らないといけない。

そのへんが、受講されている方から「やっぱり知らなかったことがいろいろあるんだ」と認識しちただけるって、非常に大事なことだと思ってますね。

入院、手術! 心配ごとの大きなウエイトをしめるのはやっぱりお金

例えば、大きな手術をすることになった時。それが月末だった場合、高額医療費っていうのは今月末だったら来月、再来月に分けて9万くらいかかってしまう。もちろん、救急車で運ばれるような事態で、「月が変わるまでまってください」なんてこと言えませんけどね。

ただ、長く病院に通っていて経過観察も兼ねて入院して、検査しましょうという場面なら調整できる場面ですよね。そういった余裕のある入院であれば、月初めに入院したほうがお得です。現実的に、8万円くらい違ってくることもあるんですよ。


元気なときほど忘れがちな「お金」の問題。いま、あなたが利用できる制度を知っておくだけで、相当な損を回避できます。お金があれば、心にも余裕ができますからね!

次回、あらためてシニアライフカウンセラーが必ず必要になる理由と、吉原先生がこんなひとに受講してほしい、というお話を伺います。お楽しみに!

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