小番代表からあなたへ、メッセージがあります

一般社団法人シニアライフサポート協会代表の小番 一弘(こつがい かずひろ)と申します。

この度は養成講座のお試し受講をいただきありがとうございました。
講座内容はいかがでしたか? 少しでもお役に立てたようでしたら幸いです。

さて、お試し受講をして興味を持っていただいたあなたに、この養成講座のことについてお伝えしたいと思い、このメッセージをお届けしています。

・シニアライフカウンセラー養成講座が、どうして誕生したのか?
・超高齢社会の今、なぜシニアライフカウンセラーのような人材が求められるのか?

こうしたことについて、私自身の体験やこれまで行ってきたことをもとに少しお話をいたします。

「介護離職」から、高齢者住宅の現実を見てきて…

私、小番は認知症になった母の介護をするため、今から10年ほど前、49歳の時に住んでいた東京を引き揚げて実家のある札幌に戻りました。介護離職です。

それまで父が自宅で母の介護をしていましたが、 認知症は少しずつ進行していく病気ですので、だんだん父も参ってきており、予定よりも早く戻らざるをいけない状況でした。

その時、私にはもちろん介護も福祉も、何の知識もありませんでした。私も父と同じように母につぶされてしまうのでないかと、強い危機感を感じたのを今でもはっきりと覚えています。

仕事を探さなけばいけませんでしたが、職安でヘルパー2級の資格を取れることを知り、「母の介護にも役立つだろう」と、自宅での介護を行いながら高齢者住宅で夜勤の仕事に携わることになりました。その現場で、認知症の対応に困っている人は私だけではなくたくさんいるのだと実感しました。

国は「介護離職ゼロ」を掲げていますが、実際問題として介護をしながら仕事を続けることはできません。幸運なことに私が勤務した高齢者住宅は自宅に近く、夜間の仕事でしたので介護と両立することができましたが、これでは介護離職を減らすことは難しいと痛感しました。

「シニアライフ相談サロン」の設立

その後、別の高齢者住宅の運営を手伝うことになったのですが、入居希望者は入居先を探すのに苦労していました。また費用やサービス面などの問題から、入居希望者と施設側のマッチングが上手くいっていないことが分かりました。そもそも高齢者住宅に入りたくても入れない、探せない人が多くいるのです。

そこで、2013年に当協会の母体となるNPO法人「札幌高齢者住まいのサポートセンター」を立ち上げ、高齢者住宅の紹介事業を始めました。しかし、半年もしないうちに住まいのことだけでなく、引っ越しや不用品処分、身元保証など多岐に亘る相談が寄せられるようになりました。

そこで、2014年1月にこれらの問題にワンストップで応じる「シニアライフ相談サロン」を開設しました(今では札幌、東京、神奈川、富山、福岡…と全国で開設が始まっています)。

ここでは、高齢者住宅への住み替えや引っ越し・不用品処分に関する相談。高齢者住宅入居の際の身元保証・後見人の相談、不動産処分、遺言・相続、葬式・お墓など高齢者のさまざまな困りごとや相談に無料で応じています。


「高齢者の悩みをワンストップで解決できること」の必要性

シニアライフ相談サロンの活動内容をご覧いただいても分かる通り、高齢者の困りごとは本当に多岐に渡ります。
今も、さまざまな問題を同時に抱えて悩んでいる高齢者がたくさんいます。

それぞれの問題に関する専門家はたくさんいるから、相談すればいいというのは分かります。しかし、それぞれの所在がバラバラでは「この話はあっちへ、その問題はこっちに行ってください」となってしまいます。これでは、高齢者の困りごとや問題はなかなかうまく解決することができません。

なぜでしょうか?

そもそも高齢者は、外に出かけたりコミュニケーションを取るだけでも大きな労力なのです。家族もそうです。例えばすでに親が要介護に入っている家族は多忙です。なかなか家を開けることができません。

そのせいで、さまざまな問題を抱えながら何も解決できていない人がたくさんいらっしゃるのだということを、シニアライフ相談サロンで多くの相談を受けながら痛感しました。

高齢者の悩みは、ワンストップで解決できないといけないのです。
しかしそれには人材が圧倒的に足りません。

高齢者が抱えるさまざまな困りごとを総合的にサポートし解決に導いていくための人材が、いま本当に求められているのです。

そこで、こうした悩みに応える人材を育て、高齢者の悩みを総合的にサポートできる人を増やすために講座を作りました。それがこの「シニアライフカウンセラー養成講座」です。

講座では高齢者住まいから介護保険制度、健康・医療、見守り・後見制度、相続・遺言、生活支援、老後資金・財産管理・税金、葬儀・墓、エンディングノート、コミュニケーション能力など多彩な知識と実践力を身に付けることができます。

学ぶ内容は多岐に渡るため、初級、中級、上級と3段階を設けて学びの機会を増やしています。講師は各分野の専門家が務めています。


様々な場所で活躍し始めているシニアライフカウンセラー

このシニアライフカウンセラー養成講座は2014年10月の開講以来約4,100人が受講しています。最初の2年は札幌のみの実施でしたが、現在は東京、大阪、福岡などの各都市、また旭川、帯広、釧路、函館といった北海道内各地などでも開講しています。

初開催から4年が経ち、現在は上級まで取得したシニアライフカウンセラーが、「シニアライフ相談サロン」ので相談員(カウンセラー)として活動をはじめた方もいらっしゃいます。

介護・福祉の現場で働いている方からも「利用者さんのお悩みを聞けるようになって、喜ばれるようになった。利用者さんの笑顔が増えた」という声をよく頂戴します。

シニア向けのビジネスやボランティアをされている方からも「シニアならではの悩みを深く聞けるようになることで関係性が深まり、よりシニアのお客様から頼りにされることが増えた」という方が多くいらっしゃいます。

もちろん、学んだ知識を自分の家族や自分自身の終活のために役立てている方も、本当に数多くいらっしゃいます。「しっかり準備できたので、安心して親を看取ることができた」といった声をよく頂戴します。

シニアが安心して人生を送れるようになるために…

私自身、母が認知症になった時にもっと早くこの知識を知っていれば、「知らずに損した」を防ぎ、母や家族にも早くから余裕のある態度で望めたかもしれませなん。

私の母の介護は、今でも現在進行形で続いています。

ですが、こうした知識で転ばぬ先の杖を作っておき、人生のエンディングにしっかりと備えることは、本人にも家族にも安心をもたらします。

「元気なシニアがシニアを支える」

これが、シニアライフカウンセラーの合言葉です。
皆で助け合いながら、人生をキラキラと輝いて過ごすシニア「プラチナシニア」を一人でも多く増やしたい。

そう思いながら、この講座を開催しております。