老齢化社会を生き抜くための豆知識

第1回 思い込みで処理してませんか?

皆さんこんにちは、行政書士の小松です。
皆さんは、シニアカウンセラーの養成講座を受けた時やご自分で終活に関する本などを読んでいる時に、途中にでてくる「法律」が良く理解できず、 「・・・?」 と、感じたことはありませんか?

皆さんと同様。私も「行政書士」を目指して法律を勉強し始めた頃は、活字だけの文章を読んでみても、なかなか具体的なイメージが掴めず、
“ ピント来ない ” ことがしょっちゅうあったものです。

そんな時は、「なんだか良く分からないけど、まっ、いいや!」と、不安を抱きながら、読み飛ばしたことも、しばしば・・・。
そして、よく調べないまま、「こんなことを言っているんじゃないかな?」「こういう意味に違いない!」と、自分の思い込みや勘違いで、“ 間違った解釈 ”のまま通り過ぎてしまったことが往々にしてありました。

しかし、この “ 間違った解釈 ” って、とっても厄介なんです。
残念ながら、他人に指摘を受けない限り、自分で気付くことがなかなか出来ないものなんです。何故なら、自分では間違いない!と信じ切っているわけですからね。

皆さんは、これから「シニアライフカウンセラー (SLC)」として、講座や本などで学んだ、その知識や情報を職場で活かしたり、ボランティア活動に繋げたりと・・・色々な場面において活用されるかと思います。
私からも、是非ご活躍を頂きたいと心から願っております。

しかし、充分お気を付け頂きたいのは、
“ 間違った解釈 ”のまま、相談者へアドバイスすることは最も危険な行為!
であるということです。

人にアドバイスするということは、試験の問題なんかで「ヨ~シ、正解だった!」と、勘で当たっていたことを喜んだり、「いや~、やっぱりそうだったのか、残念!」と、悔やんで済む問題ではありません。あなたの “ 間違った解釈 ” から発した言葉は、相談者自身。或いはその背後のご家族をも巻きこんで、損失を与えてしまうこともあれば、大きなトラブルへと発展してしまう可能性もあるのです。

そこで、このコラムでは、私自身が過去に抱いた相続に関する法律に関しての疑問。
その一つ一つを取り上げて、皆さんに理解して頂けるように、詳しく解説をしたいと思っております。

皆さんも、このコラムを読みながらご自身の知識と照らし合わせ思い込みや勘違いで処理された“ 間違った解釈 ” がされていないかどうか、是非一度、チェックをしてみて下さいね。では、

こんな質問から皆さんにしてみましょう。

相続講座のテキストや相続手続きに関する本の中で、「相続人」という言葉と「法定相続人」という言葉が、頻繁に出てきますよね。では、この「相続人」と「法定相続人」とは ・・・
同じ人物を指すのでしょ~か?
それとも全く別々の人達を指すのでしょうか?
できれば、頭の中で簡単に相関図をイメージしてみて下さい。

どうでしょう? 今までこの辺で 「・・・・ん?」 と、感じた人はいらっしゃいませんか?
「そんなこと、考えてもみなかった」と、初めて気付かれた方もいらっしゃるかもしれませんね。
「呼び方(言い方)の違いだけなんでしょ?」思いっきり勘違いをしている方、気をつけて下さいね。或いは、「そんなこと、どうでもいいじゃないの!」と、なかば捨て鉢ぎみに思われている方も・・・・

見過ごしがちな「相続人」と「法定相続人」との違い

大概の方は、この「相続人」と「法定相続人」の違いについて、“ぼんやり” としたイメージだけで処理をしてしまいます。そして、“ ハッキリ ” と認識しないまま、思い込みで通り過ぎてしまう危険な箇所なのです。

しかし、相続手続きを無事に行うには、この辺の理解がとても大切なんです。
ここを “ ハッキリ ” と理解しておかないと、ご自分が相続手続きをしなければならない必要に迫られた時、手続きを始めることも出来ません。
そして、財産の引き継ぎ(分配)自体もおかしなことになってしまう可能性があるのです。

まして、皆さんが将来 “ シニアライフカウンセラー ” としてご活躍される上で、周りの人に分かり易く説明をしなければならない。そんな時がきっと来る筈です。
そんな場合でも、慌てずにしっかりと説明が出来るように、この点を明確に理解をしておきましょう! では、解答をご覧下さい。

どうでしたか?
ご自分で想像されたイメージ図と重なっていたでしょうか?
(図形の形は、全く関係ありませんよ。)

ここで重要なのは、「相続人」というのはいわゆる総称であって
その中身は、「法定相続人」と「法定相続人以外の相続人」から形成されるということです。
このことさえ理解されていれば、○(マル)となるわけです。

「なんだ、そんなことか」と思われた方が多いのかもしれません。しかし、単純なことだからかもしれませんが、私が知る限では、こんな風にイメージ図にして解説してくれている書籍は、一つも見当たらないのです。

でも、「いざ、これを人に説明・・・」という時に、こんな図が頭の中に“ ポン ”と浮かんで来なければ、上手く説明が出来ません。
つまり、“ 単純が故に、見過ごしがちな知識 ” となるわけです。

このイメージ図をよ~く頭の中にしまい込んでおいて下さい。数式で表すと、相続人=法定相続人ではありませんよ! 相続人≧法定相続人が正解なのです。

尚、一般家庭では、「相続人」は、ほとんどが「法定相続人」のみで構成されることになります。
しかし、相続財産の内容やご家族の環境によっては、そうならない場合(法定相続人以外の相続人の発生)も実際に起こり得るのです。一体、どんなご家庭なのでしょうか?
そのことについては、いずれ詳しくご説明を致します。

さて、読んでみていかがでしたでしょうか?

こんなこと、「もう知っていたよ」と思われた方には、「ご免なさい」素直にお詫びを致します。

しかし、このコラムの最大の目標は「思い込み」で勘違いされている方に、そのことに気付いて貰うことなのです。このコラムを読んで疑問が解けた、自分の勘違いに気がつけたといった方が、1人でも増えたら幸いです。(率直なご感想を是非、メールにてお寄せ下さい。)

では次回は、「法定相続人」って誰のこと? 第 2 回目へと続きます。